小石安之助商店

小石安之助商店は、鯖、鰹、宗田鰹、ムロアジの節ものを取り扱い、それらの節を使っただしの味にこだわりを持ち続けており、工場と販売所が併設されている工場直売所です。

 現在では、鰹以外にも鯖やムロアジも扱う雑節を商品としていますが、これは先代の3代目社長さんが決断されたことです。

設立当初は、初代社長さんが提灯の修理、生産を主な業務として繁盛していました。その後、時代の変化に伴って2代目社長さんが鰹節に商品を切り替えました。3代目社長さんの時には、鰹節だけでなく違う節ものを商品として生産していくことを決意し、現在(4代目)の社長さんが継承しています。

ここからは、工場内の見学の様子や社長さんから説明をしていただいた当商店の歴史と商品へのこだわりについて述べていきます。

 下の写真の左側にいる白い服を着た男性が社長さんです。社長さんはとても優しい方で、工場見学をしている時は、どんな機械を使っているのか、どこに工夫をしているのか等を1つひとつ丁寧に説明してくださいました。また工場で働いている方々も、作業を一時中断して自分の担当している工程について説明をしてくださいました。この行為からもお客様を第一に考えていることがわかります。

工場見学では、鯖を削る場面を見学することができました。普段はこのような場面を見る機会がないため、思わずカメラを構えてしまいました。目の前で鯖節を作っていく工程を見られたことは、私たちにとってとても貴重な体験でした。

 日の当たる場所では、鯖や鰹などを干している様子を見学することができました。おいしいだしを取るためには、枯れさせる、発酵させる、カビ付けをする等の多くの工程を働いている方々が長い期間をかけて行っていると知ることができました。 この商店では、内部まで完全に乾かすために何度もこの工程を行っているそうです。

このように、普段目にする商品がどのように作られているのかを私たちは知りません。そのため、普段の生活の中では知る機会がないような知識を得られることは工場見学の魅力の1つだと思います。

当商店の商品であるだしの試飲までさせていただきました。実際に飲ませていただいたところ、味が薄いと感じた方が多かったです。私自身も飲んでみましたが、周りの方と同じことを感じました。 しかし社長さんは、「普段皆さんは、お味噌汁などの料理を召し上がっておいしいと感じますよね?しかし、その汁には醤油や塩といった調味料が足されています。その味をだしの味だと感じている人が多いです。」とおっしゃいました。 その言葉を聞いてからもう一度飲んでみることで、だし本来の味というのを少しは感じることができたのではないかと思います

最後に社長さんからの想いとして、「料理は、まず香りから楽しんでもらいたい。私たちもそこに合わせて、上品な香りを持つ鰹節、料理そのものの香りを崩さない鯖節などを生産している。その後に、料理の味を楽しんでいただく。その点でも私たちは、皆さんにとって飽きの来ない味を追求しています。また、健康な舌、つまり味の濃い料理を食べていくのではなく、たとえ薄い味だとしても料理本来の味を感じていただける舌を持ち続けてほしいという想いがあります。私たちは、工場直売所であるため、企業間での流通にも力を入れています。しかし、直売所という特徴を生かして商品を買っていただく皆さまとの関わりを今後特に力を入れていきたいと思っています。」とお話されていたため、ここで伝えさせていただきます。

 小石安之助商店では、随時無料で工場を見学することができます。工場に来ていただいた際には、実際に削り節を体験していただき、それをお土産としてお持ち帰りいただくことができます。私も、1人でも多くの方に訪れていただきたいと思っています。

今回訪問させていただいた小石安之助商店のほかにも、焼津市内には多くの工場直売所があります。そのため、多くのお店を巡り、そのお店に受け継がれてきた伝統を皆さまに知っていただけるようにしていきたいと思います。

(2018.12.19 静岡福祉大学 村瀬 開)