沿革

    2018年度(平成30年度)から静岡福祉大学岩本研究室は、中日本高速道路(株)東京支社との連携事業によって、地域活性化モデルの研究に着手することで合意しました。この事業は、焼津市の優れた逸品を発掘し、その商品の生産技術を将来に継承するためには、どのような方策が適切であるかを研究し、持続可能な仕組みを社会に提案することです。そして焼津地区で開発した活性化モデルを標準化し、将来は全国的に幅広い地域で展開することを目標にしました。そのほか教育活動への応用として、岩本研究室のゼミ学生によるフィールドワークを基盤に置き、様々なアクティブラーニングへと発展させることを目標としました。

 本事業の特徴や注目点を以下の通り整理しました。

 (1)学生が主体であること

 生産者主導ではなく、消費者主導による流通チャネル構造を作り出すことを意識し、その活動は地域リーダーとなる若者が主体となって、地域の生活者や文化産業に接する機会を提供することを重視しました。

 (2)地域の文化や逸品を地域自らが発掘・発見する取り組みであること

 我が国の経済成長が長期的に停滞する中、少子高齢社会、グローバル社会など、より一層の環境変化への対応が迫られます。大量生産大量流通大量消費型の社会システムが大勢を占めている現代において、日本の地域の隠れた逸品、こだわりの商品に注目し、埋没する地域資源を発掘・発見する活動にと組みます。そのためには、地域生活者の草の根運動的な取組が理想で、外からでは、決して入手できないような、地元だからこそ得ることが出来る貴重な情報をもとに地域資源の発掘・発見に努めます。

 (3)自立型で持続可能性が高いモデルであること

 私の経験値では、補助金を活用した地域活性化事業は、その補助金が打ち切られるとやがて消滅します。本事業は、営利活動を目的としない循環型社会活動を目指し、自立型且つ長期的に持続可能性の高い活性化モデルを開発します。

 (4)関係機関伴走型事業であること

 行政主導、商工会議所主導、産業界主導ではない、学生や生活者が作り上げる事業であって、関係機関はその活動に寄り添う伴走型の参加を目指しています。緩やかな関係の中から相乗効果を生み出し、力の偏りや支配関係が生まれない共同体を目指しています。

 (5)規模拡大による消費者主導型チャネルを創出すること

 長期的目標として、焼津地区で開発したモデルを静岡県全域に拡大し、さらにはNEXCO中日本圏内、全国へと規模を拡大し、消費者主導型チャネルの構築を目指します。これはチャネル・リーダー移動の流れの中で、現在の大量生産大量流通大量消費型といった低価格化を追及する社会システムから、少量生産少量消費といった消費者の品質志向を優先とした社会システムへの移行の支援でもあります。生活者にとって安全で安心な商品、そして地域にとって必然的に生まれた文化や技術を、その地域の生活者と消費者が発見しマーケットを生み出すことが、社会全体への利益拡大はもとより、我が国の地域文化や産業発展、日本独自の伝統技術の承継につながる活動だと考えております。

2018年度(平成30年度)事業は基礎研究として、焼津市役所、焼津商工会議所、大井川商工会など関係機関との調整を進め文献研究を通じながら、本事業のスケルトンや活動方針を制作しました。

2019年度(令和元年度)は、様々な視察調査、ヒアリング調査、アンケート調査、ホームページによる情報発信に取り組み、学生のアクティブラーニングや地元企業や消費者からの評価に繋がっています。

2020年(令和2年)3月1日
静岡福祉大学 社会福祉学部
岩本勇 博士(総合社会文化)