設立趣意書

 「地域文化産業研究会」の目的は、その地域の中で育まれた文化や産業が、自然に次世代に継承されるような、持続可能性の高い地域循環型の社会モデルを開発し、徐々に広範囲に普及させることです。そのためには、その地域の生活者が自らの価値観や視点で生活者が求める文化や産業を発掘・発見し、同時にその地域の文化や産業を担う生活者や生産者が、自らの差別的特性や優位性を理解し、研鑽を通じてその技術に磨きをかけ、地域力を高める活動へと昇華させることを目標にします。

 この異なった目的を持つ二つのグループは、独立した研究活動を進めながら情報交換を適宜行い、相互扶助的な関係と相乗効果を追求し持続可能性を高めていく。具体的な組織イメージは以下の通りです。

 上位組織として、「地域文化産業研究会」を設置します。この研究会は、複数の地域活性化事業の代表者とNEXCO中日本で組織し、個の地域活動を広域的且つ総合的なパワーに変換することを目的とします。例えば、それぞれの地域活動を包含する総合ブランドを設計し、消費者への訴求効果を高めたり、地域の独自ブランドが他の地域ブランドに不経済を与えないような工夫を凝らすなど、スケールメリットを追求する研究会です。

 その「地域文化産業研究会」組織の下に、それぞれの地域で展開する「温故知新同好会」と「承前啓後の会」という対の研究会グループを配置します。

 温故知新とは、過去の事実を研究し、そこから新しい知識や見解を導き出すことであり、ここでは「温故知新同好会」が消費者グループとなります。消費者が地域の文化産業を研究し、埋没する資源・産業・逸品を発掘することを目的としたグループです。一方、承前啓後とは、過去の技術や伝統文化などを継いで未来を切り開いていくことで、ここでは「承前啓後の会」が生産者グループになり、地場産業の生産者が集い、互いに先祖代々受け継がれた伝統技術を承継し、新たな商品やサービスにつなげていくための研究を行います。

 これら二つのグループと統括する組織から構成されるのが「地域文化産業研究会」の特徴です。消費者と生産者がそれぞれ独立した活動ではありますが、互いの情報交換を通じて議論を深め、有機的連携を通じて社会に貢献します。

静岡福祉大学 社会福祉学部 岩本勇 博士(総合社会文化)